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内容紹介(Amazon)

 猫が店番をする骨董雑貨屋「ねこや堂」。
 店番を猫と侮るなかれ。
 大概のことは、この黒い猫で事足りる。

「猫が喋らねいなんて、誰が決めた」

 人語を操り、猫が笑う。

 人も、人でないモノも集まってくるこの「ねこや堂」に、今日も新たな事件が……。


【目次】

・狭間の夢
・月の宴
・落し物
・月のない夜



猫がしゃべらねいなんて、誰が決めた?(帯文より)

古今、猫という生き物はどうしてこんなに人を魅了するのか。
その歴史は古く、はるか1万年前に遡り・・・等という野暮な歴史観はともかく。

猫の持つその普遍的な不可思議性というのは、一体全体どこの誰が積み重ねてきたものか、と日々思い巡らす次第です。
"猫又"、”化け猫”なんていうのは、怪談話には付き物ですが、個人的には"猫娘(水木しげる画を除く)"なんていうのが、割と当たり前に出てきて、むしろ食傷状態にある昨今のコンテンツ産業にある種の恐怖心を抱いております。
まあ、そんな恐怖は瑣末なもので、さて、迷信や都市伝説にも多く登場する"猫の不可思議性"と、その"余りある魅力"については、もし猫好きな方がいらっしゃいましたら、心行くまで語り合いたいところでございます。・・・勿論、猫カフェあたりで。


そんな全国の猫好きな皆様、お待たせ致しました。
「ねこや堂物語 (タケノコノベルズ) 」でございます。


お話そのものは短編とも言える文量ですが、よくまとまった非常に完成度の高い作品です。
モチーフは「猫」、「骨董屋」、「不思議な世界観」となるかと。

本作の主人公は、骨董屋の店番を務める老獪な猫。
これがまた、「猫がしゃべらねいなんて、誰が決めた?」の通り、流暢に話をするのですから、猫好きにはたまりません。
その口調も実に特徴的で、「かったりぃや」や「なんねい」など、西関東地方の方言を思わせる言葉使いは、現代的な世界観にどこか懐古調の趣を感じさせてくれます。

話数は、全4話。
それぞれ、猫と骨董屋に関連する人々のストーリーが描かれております。
個人的にはこの中の「落し物」というお話が好きです。


ある時、女性は落し物を見つける。
普通は警察に届けるところであるのだが、拾ったものを見て、女性は小首を傾げる。
思案の後、彼女が向かったのは例の老猫が居る骨董屋だった。
女性が拾ってきたモノをみて、老猫はずいぶん呆れた風に言う。
「確かにウチは変わったモンも扱っちゃあいるがな」

女性が拾ったその代物と、そこから紡がれる物語とは。



・・・と、引っ張りつつ。とてもほっこりしたお話となっております。
ホント、家の近くに、こんな骨董屋ありませんかねぇ。

勿論ですが、猫好きに関わらず、オススメの一冊でございます


作家さん情報(Amazon)

著者:ねこや堂
九州在住。怪談作家。
実話怪談著者発掘大会「超-1」を経て、商業デビュー。

著書:「怪異伝説 ダレカラキイタ?」シリーズ「職員室の怪談」「亡霊の時間割」「幽霊の連絡帳」(以上、あかね書房)
「恐怖箱 怪生」、「恐怖箱 百聞」、「恐怖箱 怪客」(以上、竹書房)などに共著者として参加。

公式ブログ:猫の遠吠え・本館

■リンク:竹の子書房

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竹の子書房・・・謎めいておりますが、作家様達で作られた団体(?)というか何というか。。。
こちらもいろんな意味で燃えております!

社訓 ―― ボクたちは肩の力を入れません
合言葉 ―― 「じゃあ、それで」

・・・
・・・・・
・・・・・・・・この会社に入りてぇ・・・(?)


ねこや堂物語 (タケノコノベルズ)ねこや堂物語 (タケノコノベルズ) [Kindle版]
著者:ねこや堂
出版:竹の子書房
(2013-04-08)