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内容紹介(Amazon)

■作品紹介

『残念な聖戦』の作者が送る、スマホ小説のダイレクト出版第2弾。読了時間30分未満の短編ナンセンス小説。

■あらすじ
田舎駅で出会った、理解し合うことの不可能な四人の男たちが、タクシーに相乗りして海辺で一晩を過ごす。男たちの奇妙な独白とは?

・平田等 … 司馬遼太郎が嫌いな男
・馬場忠夫 … 離島の中学校教諭だった男
・大橋かおる … 砂の女ごっこする男
・八木源太 … 筋トレとTOEICに励む運転手



男達の不思議な出会い。確かなことは「奇妙」な事だ。

本作『それが僕らを別つとしても』を読んだとき、ふと『袖振り合うも多生の縁』という故事を思い出しました。
この言葉、「偶然出会った様な間柄でも仲良くなれる」という様な意味合いではなく、実際は「知らない人とたまたま道で袖が触れ合うようなちょっとしたことも、前世からの深い因縁であるということ 」という意味になります。
この故事のポイントは「多少」ではなく、「多生」というところ。多生とは、輪廻して何度も生まれ変わるという意味です。つまりどんなに偶然の様に思える縁にも因果が存在しているので、大切にしなさいという仏教の教えですね。

この「多生の縁」かどうかは分かりませんが、とにかく、本作の中では男性4人が偶然出会います。
タクシーを待っていた会社員 平田等と 中学教諭 馬場忠夫。この二人と相乗りすることになった大橋かおると運転手の八木源太。
実に不思議な縁で同乗する事になった4人はそのままそれぞれの目的地に向かう訳でもなく、なぜか地元の人間も知らない様なビーチへと向かい、一夜を明かすことになります。
車中では平田等の心の中で、そしてビーチに着いてからは、他の3人の独白が語られます。
それはどこか薄暗く、しかし、本作全体にも言えることですが、どこかユーモアを感じる台詞・情景描写がある為、「心の闇」という程でもない実に奇妙な独白です。


平田という人間を形成することになった父親の思想。

恰幅よく快活も良過ぎる馬場忠夫が、過去に背を向けた離島の教職時代。

大橋かおるの逃れらない実家からの逃避行。

これまでの固定概念を崩し、努力を続ける八木源太。


この中で一人だけ、八木源太はむしろ前向きな独白ですが、彼の闇は一際に濃かったようです。
闇夜のビーチで砂の城を作り上げる男達。
その結末は呆気ない程に意外でした。

男達の奇妙な縁が生み出す、ナンセンスストーリー。
短いながらも密度の高い作品をお楽しみください。



作家さん情報(Amazon情報)

【作家名】代々木 犬助
1980年、岩手県生まれ。東京でIT系企業のサラリーマンをしながら、通勤途中に執筆をするスマホ小説家。
2012年末に処女長編『残念な聖戦』を執筆し、現在は「ノベラブルブロガブルシステムズ http://novel.weblog.to/」で『アニマル・ズ』を連載中。

■作品
・『残念な聖戦』(2012.11)
・「それが僕らを別つとしても」(2012.11)
・「1999年のローファイモンスター」(2012.12)
・「ポップコーン・オア・アライブ」(2013.1 / ダイレクト文藝マガジン第三号収録)
・『アニマル・ズ』(2012年12月から連載中)
・「はじまらない物語」(2013.3)
・「お客様の中にイケダハヤトはいらっしゃいませんか」(2013.2 / 第二回 てきすとぽい杯投稿作品)

■影響を受けた作家
・団鬼六
・村上春樹
・阿佐田哲也
・大塚英志
・西村賢太
公式ブログ:http://novel.weblog.to/ twitter: 代々木犬助@yoyogill