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内容紹介(Amazon)

かつて魔法石による魔法と呼ばれる現象が一般に普及し、そして永遠に失われてしまった世界。
魔法の影響が今でも残る壁に囲まれた街で暮らす12歳の女の子の物語。
小学校中学年~向けです。
(縦41×横17文字換算で120P:総文字数40,000文字)


その世界には、かつて魔法使いが実在して、街は魔法によって動いていた・・・

久々にワクワクする魔法の物語を読みました。
本作「魔法香る街へようこそ!」は、魔法を題材としたティーン向けの物語です。

ずっと昔は当たり前にあった魔法。人は魔法使いでなくても魔法の力を宿す「魔法石」を使って、あらゆる動力としていた。
それから時は経ち、ある時を境に魔法は消えていく。魔法使い達は勿論、魔法石も採取できなくなり、おろか、これまで動いていた魔法石すらもその効力を失っていった。
魔法に頼り切っていた人々は、魔法の文明以前の機械による生活を余儀なくされ、今に至る。
主人公ニーナが育ったのは、かつて魔法石の採掘場として発展した街だった。
魔法石の採掘がなくなった今、緩やかに衰退していく街に、しかし最近、不思議な事が起こる。
街の中心にある教会の時計が動かなかったり、誰も居ないはずの採掘場に灯りが点ったり。
人はそれを「魔法の残り香」と呼んでいた。
つまり、効力を失った筈の魔法が時に思い出したように物に影響を与える現象だ。
学生であるニーナは、しかしその時は特段、気にするでもなく、いつもどおりの毎日を送っていた。

―そう。
その日、もう何年も使われていない教室で、機械ネズミ達と会話する銀髪の少年と出会う前は・・・・・・。

設定の段階で惚れました。
思った以上に壮大です。
舞台は小さな街なのですが、設定は止め処なくストーリーが溢れそうなくらい深いです。
魔法や魔法石というファンタジー物ではよく見るモチーフは利用されていますし、ストーリーの概略は大きく意表をつく内容ではないかもしれません。
しかし、それ以上に王道ファンタジーの強さがあり、読了後は実に爽快です。

ファンタジー小説では時々覚え切れない名前のキャラクターや世界設定が出てきて、読んでいて疲れてしまうことがありますが、本作でその心配はありません。
主人公ニーナを初めとする主要キャラクター達も、無駄な説明がなくとも言動によってそれぞれの個性がよく出ていて、とても好感が持てます。
また、カバーのキャラクターイラストも、とてもポップでより世界を引き立たせる要素となっています。
こういうのを見ると「やっぱりカバーも大事だなあ」と思うことしばしば。

そして、ストーリー終盤の盛り上がりは読んでいてワクワクが止まりませんでした。
文章も盛り上がりに合わせピッチが早くなり(?)、感情移入率が半端ではありませんでした。

時に現実を忘れ、ファンタジーに浸りたい時がありましたら、ぜひこの作品をオススメします。


作家さん情報(Amazon)

著者名:吉野 茉莉
北海道出身、東京都在住。

電子書籍のみの同人作家。
胸キュン小説を好んで書いています。

掲載
短編集「ぼくとご主人様」:「電子書籍の作り方、売り方」著:加藤雅士(サンプルとして)

連絡先:quarterquasilovers[!]gmail.com
([!]を@に変えてください)

ブログ http://quarterquasilovers.blogspot.jp/


魔法香る街へようこそ!魔法香る街へようこそ! [Kindle版]
著者:吉野 茉莉
(2012-12-16)