
内容紹介(Amazon)
俺、私、ぼく、私、僕。 五人の「わたし」の物語を集めてみました。 奇妙な味、ミステリ、少女小説とバラエティ豊かな作品集です。短い物語なので、気楽に楽しんでいただけます。ショートショート的短編集、上質な世界をご堪能あれ。
「俺」、「私」、「ぼく」、「私」、「僕」。全5作品。全てが一人称で形成された世界観。
普段の何気ない風景から、異質な空気感を演出する見事なストーリーが続きます。
この様な短編集は、普通、話によって好き好みが分かれたりすることもあるのですが、本作「わたしの物語」は5話とも好みです。
本読人・・・電車の中でミステリー本を読む【俺】は、となりの男性も全く同じ本を読んでいる事に気付く。読み始めたタイミングが同じなら、スピードもいい勝負。密かな闘争心に火をつけた【俺】の静かな戦いが始まった!
郷愁列車・・・いつもの日常、いつもの通勤電車。【私】はいつも通りの世界の中で埋没していた。満員電車に揺られる彼は、ふいに見知らぬ少年にビー球を渡される。ビー球を眺める【私】は不思議な夢をみて・・・
喪服の彼女・・・【ぼく】のバイトするコンビニには決まった時間に不思議な女性が来店する。それが"喪服の彼女"だ。その存在が何となく気になっていた【ぼく】がある夜、墓地の前を通ると、そこに足を踏み入れていく影を見る。それは彼女だった。好奇心に駆られ後を追う【ぼく】がみたものは
春とうららの桜色の夢・・・【私】こと緑子は最近、変人に絡まれている。ふわふわの髪を揺らしながら笑う少女、うららだ。何かにつけ奇行の目立つうららに何故か興味を持たれ、日々付きまとわれる緑子。そんなある夜、窓の外から、緑子を呼ぶ彼女の声がした。
視線・・・小説家の【僕】は、ある日、喫茶店でふと視線を感じる。そこには、勿論他に人間はいたが、そんな視線を発する人間はいない筈なのに。目に見えぬ視線に苦しむ【僕】。そんな【僕】の前に、関根という男が現れ、こう告げる「助けてあげましょうか」。 そして明かされる視線の正体。その驚きの結末
一話一話の密度が濃い。そして、面白いです。

本当に全て無駄なく良いストーリーなのですが、敢えて一番を挙げるとすれば個人的な趣味で「春とうららの桜色の夢」です。趣味については、察してください。(●´ω`●)
電車の中で、上質な時間を楽しむなら、ぜひこの作品をオススメします。
作家さん情報(Amazon情報含む)
【著者】関根 元和
1969年生まれ、埼玉県出身。
エムロジック株式会社 取締役。
Windows、Palmのアプリケーション開発を手がけるエムロジック株式会社を友人と創業。iOS/Androidアプリの開発も行っている。
ハンドル名「CHEEBOW」として、Palm/Windows用のフリーウェアやMovableTypeのTIPSを発表して活躍。同人音楽サークル「くじら音楽部」主宰。ライブアイドルへの楽曲提供も行っている。
ミステリと少女マンガと猫が好き。
* * *
著者の関根 元和さんは小説だけでなく、会社をされたり、作曲をされたりと、トンデモマルチヒッター(?)の方でした。すげー。
作家さん情報チェックも合わせてすべし!
Wikipedia(!)
ブログ

著者:関根元和
(2012-11-17)
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