メカねこと空気入れ

内容紹介(Amazon)

人を抱きしめたときのあたたかさとぬくもりを知っていますか?

この物語の主人公は、風船だらけの世界に暮らす、一人の小学生の男の子。大好きなお母さんを抱きしめても、きゅっきゅっとビニルの擦れる音がするばかりです。

少年がほしいのはきっとぬくもりでした。
けれど、ようやく飼ってもらえることになった猫はメカ。
右前脚には破壊力抜群のロケットランチャー。左前脚には失神確定のパンチンググローブ。そんな装備を持っているけど、少年にぬくもりはあげられません。

落胆する少年に、メカねこはどうすれば少年を笑わせられるのか、行動を開始するのです――。

風船だらけのおかしな世界の、少年たちと猫とカラスのお話です。

ほっこりSF?独特の世界を楽しめます

「吾輩は猫である」で始まる猫の物語はあまりに有名ですが、「私の右前脚はロケットランチャーになっている」で始まる猫の物語は、多分、人生初です(笑)
それだけでこれは読まざるをえない、となりました。
本作品『メカねこと空気入れ』は、人々が風船だったりメカ動物が登場するSFであり、少年たちの友情の物語であり、冷静かつズレた分析をするメカ猫に悶えるそんなお話です。
全体的にとても読みやすいお話ですが、やはり印象に残るのは随所に散りばめられるこだわり(?)のメカ猫のSF的挙動。

『体全体のモーメントバランスを常時監視し、最適化物理演算によって適宜、目標座標を修正する』
『三千二百ヘルツの等速再生で。それからわずかに周波数をずらして、また鳴いた』

猫の動作が、こんなにメカニカルに表現できるとは、と驚き。ですが、決してわかりずらいというわけでなく、むしろ大真面目に猫の挙動をとろうとするメカ猫が愛くるしくなります。
さらに主人公「大輝」と後に登場する友人「亮太」との出会いと交友は見ていて、にやりと笑ったり微笑ましくなったり、読んだ後はなんだかとってもほっこりしました。


作家さん情報(Amazon)


1982年生まれ。
東京工業大学情報工学科卒。コテコテの理系のくせに何故か小説を書くのが好き。現在はソフト屋さん。

全滅した少年たちの謎の真相を追う架空戦争史の虐殺サスペンス「すべて裏切者のしわざ」で第八回講談社BOX-AiR新人賞最終選考。
描いた絵を召喚できる男の子と描かれた絵画獣の友情冒険バディもの「らくがきウルファ!」で第一回角川つばさ文庫小説賞最終選考。

  ......人生も作風も何処に向かいたいかさっぱりと言われる。
本人は、面白ければそれでいいじゃん、と思ってるんだけど。

学生時代、フリーのサウンドノベルゲーム『かまいたちの夜2 another 煉獄』を制作。
http://www3.to/kamaitachi-rengoku/
ブログ: http://www.varitra.info/ 


著者の針とらさんはやはり数々の小説賞の最終選考の経験もある大変、実力のある方でした。
SFでほっこりしたい方はぜひ、ぜひ、ご一読ください!

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メカねこと空気入れメカねこと空気入れ [Kindle版]
著者:針とら
出版: 針とら
(2013-01-20)