画像- 天の種- 鳥居 とり 2013-03-01 18-58-43

内容紹介(Amazon)

僕が彼女に会えば、国は滅びる。
でもいつか、時が来れば、僕は彼女に会いにいくだろう…。

つがいで生まれ、引き離して育てれば国を栄えさせるが、再会すると国を滅ぼして森に変えてしまう伝説の生き物「天の種」。
天の種として生まれた少年少女と、彼らを拾った赤毛の女王の物語。


登録情報 フォーマット: Kindle版
ファイルサイズ: 177 KB
出版社: とり書房; 1版 (2013/1/12)
販売: Amazon Services International, Inc.
言語 日本語
ASIN: B00B0NQKKK


レビュー

まるで歌を思わせる新感覚ノベル

少年「ソフィエル」の前に立つ、王国に君臨する紅蓮の女王。
「実に珍しい色をしている」
そう声を掛けて、ソフィエルの髪をさわる女王。
ソフィエルの髪はまるで脱色してから染めたような藍色だった―。

読み初めから不思議な世界観を持つ鳥居とりさんの作品です。
劇中に出てくる世界は「王国」や「お城」、「女王」といったファンタジー要素を含んでいますが、ありがちな「世界の説明」になってしまうような作品ではありません。
無駄な説明はなく、ただ淡々とソフィエルと女王の会話や、王国の静かな繁栄、「天の種」とはなにかというストーリーが描かれています。
一文の長さや表現、会話のテンポ(台詞の言い回し)がとても良いバランスで、詩とノベルの間というか、まるで一曲の歌を詠む(?)様に、自然と頭にシーンが広がります。
とにかく静かな世界の中に鮮やかな色を感じさせる表現力は読んでいて素直に感動します!

ストーリー

つがいで生まれ、引き離して育てれば国を栄えさせるが、再会すると国を滅ぼして森に変えてしまうという伝説の生き物「天の種」。それはソフィエルとエシエルという少年と少女であった。
王国の女王はソフィエルとエシエルを拾い、ソフィエルを傍に、エシエルを国の遥か遠くに置いた。
伝説の通り、ソフィエルが育ち女王の傍らに居るほど、王国は繁栄を極めていく。
密かに互いに惹かれあうソフィエルとエシエルを余所に、王女の治世は絶対のものとなり、国はおだやかな平和を過ごしていた。
そして、ある日、青く澄んだ空の下、自分の死期を感じた王女はソフィエルに言う。
「もうすぐ会わせてやろうぞ・・・・・・」


※          ※          ※


とりあえず言いたいのは王女は悪役ではありません(笑)。
むしろとても深みのある人物で、最終的にはかなりファンになっていました。
キャラクター設定等がそこまである訳でもなく、台詞と少しのアクションだけで、ここまで惹きつけられる人物を描けるのは素直にすごいと思います。


作家さん(作品?)情報

さて、途中にも書いた「歌を詠むようなストーリ」なんですが、読み終わり奥付を見てその理由が分かりました! この作品は著者の鳥居とりさんが大好きな歌手の方の歌をインスパイアされた作品(すげえ!)なのだそうです。
不勉強ながら、その歌手の方の歌は存じ上げなかったのですが、その歌を聴きながら作品を読むというのは最高の贅沢のような気がします。


最近多い、キャラクターが濃ゆい本ばかりで疲れた方。
王女の言葉の先、二人の「天の種」が気なる方。
より作品を楽しみたい方は迷わず、買うべし!です!

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天の種天の種 [Kindle版]
著者:鳥居 とり
出版: とり書房
(2013-01-12)